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熊野古道 和泉府中駅~熊取駅3 [熊野古道]

まずは前回の訂正。

久米田公園にあった古墳の形をした「遊具」ですが、なんとっ!本物の古墳だったようです・・・
お堀には水が無く、夏には水を張って、市民が足でも漬けられるような感じだし、
古墳本体も一般的な古墳のように木で覆われていることもなく、
まるで段ボールで滑って遊べるような感じ・・・

同じ整備をするにしても、こんな風にして欲しかった・・・↓
紀伊風土記の丘

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実は本物だった久米田公園の古墳(無名塚古墳)

 

とにかく、古道へ戻ります^^;

ひたすら府道30号線を歩く。

おそらく、本当の熊野古道はもっとクネクネしていただろうけど、この府道はまっすぐだ。
明治以降、道はどんどん整備され、元の古道がどこを通っていたかなど、もう分からなくなってしまったんだろう。

歴史の痕跡を残そうという空気はここにはない。

ひたすら今を生きる。それが全て。という感じだ。
車はひっきりなしに通るし、主婦や学生の行き来も多い。
ということで、生活感はバシバシ感じる(^^ゞ
ここは熊野古道だと意識している人は多分一人もいないと思われる。

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と言っていると、ちょっと古い街並みが現れる。額町という所だそうだ。
何でも、ここから東へ5キロほどの所に積川神社という神社があって、
この辺にその遙拝所があったらしい。
熊野古道を行き交う人々はここから遠く離れた積川神社の方向に向かって、遙拝するわけだ。

その遙拝所の鳥居にかかる「額」が白河上皇がお書きになったというのだ。
(本物の額は現在積川神社にあるらしい)
そういういわれから、いつしかこの辺の町は「額町」と呼ばれるようになったという。

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この額町も、ひっきりなしに車が行き交う。
でも、街並みは割合に残っているし、雰囲気がよく、同じ府道を歩くにしても、心地よかった。

下松駅前の開発工事をくぐり抜け、作才町というところで府道と分かれる。

しばらく進むと、ため池のほとりにつく。この池が面白いんだこれが^^;

まず出迎えてくれたのは「お地蔵様」。でも、どう見ても御大師様に見えるんですけど・・・

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「お地蔵様」の周りには変なオブジェが飾られていた。
↓こんなのとか

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すぐ近くを通る府道の車の音がするが、ここは別世界のようだった・・・色んな意味で(^^ゞ

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釣り用の施設でしょうか???何が釣れるんでしょうか???

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ため池ですが、桟橋があった。ここから船でも出るんでしょうか・・・

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とはいうものの、ずっとアスファルトの道が続いていたところへ
こういう自然が残る道を通ると、やっぱりいいもんですね。
改めて土の道が恋しくなります。

そして極めつけはゴール地点。

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バリケードはられて通れません・・・・・・

以前熊野古道では、獣よけのバリケードをくぐったことはありますが、
これは完全に人間が通れなくするためのバリケードですよね・・・

仕方なく、人目を気にしながら、よじ登る^^;

無事柵越えをすませて、貝塚市へ突入です!

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突入後すぐにある三和製作所という会社の前に麻生川王子社跡があるというので、
会社の前をうろうろする。

そのうち会社の門横に小さな神社を発見する。あ、これかな?
一応会社の敷地内にあるので、撮影の承諾をもらいに会社の事務所に声をかける。

すると、この小さな神社は麻生川王子社ではないらしい。
よく聞かれるんですけど、麻生川王子社のことは知らないとのこと・・・

そんなぁ・・・(TДT)

しばらくあたりを探すが、痕跡すら見いだせない。
仕方なく、この場をあとにした。

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この写真は一里塚と呼ばれるものだ。
熊野古道沿いには一里ごとにこういう塚が設けられ、道行く人の旅の目安となっていた。
今でも少しばかり現存する。我が故郷、有田市にも同じような一里塚が残るが、市指定文化財。
これは府指定文化財。この違いはやはり、開発の波にも負けずに残ったという差でしょうかね。

しばらく行くと貝塚市立中央小学校。ちょうど下校の時間だ。

たくさんの小学生の中を申し訳なさそうに進む・・・
明らかに怪しい人を監視している大人達の、刃のような視線を受けながら進む・・・

平日にこの辺の熊野古道を通るのはもうやめようと心に固く誓うのであった。

あせって進んだせいで、道に迷う・・・
あっちこっちあてすっぽうで進んでいくうち、何とか古道へたどり着いた。

そして、このルート最大の見所、長谷川の坂へ

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坂と言っても、坂自体は全然急ではなく、大したことない。
ただこのルートでは一番の雰囲気のあるスポットだ。
一歩一歩、噛みしめるように進んだ。

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しばらく進み、府道を横切ると、またしても小学生の波がこっちへやってくる・・・
あぅ・・・正直引き返そうかなって思った。

でもゴールはあともう少し、近木王子と鞍持王子が合祀されているという南近義神社へ逃げ込むように入る。

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普通、合祀されていても、本殿は別に小さいのがあったりするんですが、
ここは本殿は一つだけ。ホントに合祀されてしまっています。

その割に境内は何にもないスペースが結構あったので、昔は小さな本殿があったのかも知れません。

伊勢神宮のポスターがむなしく風になびいていた・・・・・

つづいて鶴原王子社跡があるという貝田町会館です。

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ここ探すの難儀しました。道標の類がないのは慣れましたが、道が複雑で・・・

難儀して到達するものの、王子社跡らしきものはない。
石碑のようなものが建っていたので、確認しようと中に入る。

おじいちゃんが一人座っていた。

おじいちゃんに鶴原王子のことを聞いても、知ってか知らずか、
話題はどうしても桜の話へ持って行かれる(^^ゞ
なんでも、この貝田町会館へ桜が咲いていないか見に来たらしい。
おじいちゃん、まだ2月ですよ・・・・・・とは言えず、なかなか鶴原王子の話ができない。

結局、おじいちゃんは熊野古道のことはほとんど知らないようだった。
っていうか桜のことで頭がいっぱいのようだった。

石碑も、全然関係のないものでした・・・ 

影がだんだん長くなり、あたりは何となく暖かい色へと変わっていく。

熊野古道は南海鉄道の井原里駅の方が近いところを通るが、
乗り継ぎがしやすいJRの熊取駅へ向かう。

熊取か・・・そういえばあの女の子まだ見つかってないよな。
そりゃ小学校前でめっちゃ怪しまれるよな・・・こんなオッサンが歩いていたら。

 

コーラを一気に飲み干して、そんなことに思いを馳せながら、電車を待った。



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はる

こんにちは。
子どものころ、久米田公園を遊び場にしていました。
古墳がいくつもありましたが、今はこんな装飾になっているのですか!?
昔は普通に土が盛られていただけで、一見古墳とはわからなかったのでこの変わりように衝撃を受けました。
ちょっと寂しいような…。
久々に見に行ってきます。
by はる (2010-03-08 15:35) 

naginoha

はるさん、コメントありがとうございます!!
久米田公園の近くにお住まいでしたか・・・
中学校のすぐ横という身近なところにせっかくこんな素晴らしい歴史的教材があるんですから、
もう少しうまく活用して欲しいという思いが込み上げてきて、辛口に書かせていただきました。
気を悪くされたらすみません。

公園としてみるなら、個性的な、面白い公園だと思います。

行政の方が、久米田の歴史的景観を活かして重点的に整備していこうという意志を感じ取ることができました。ただその手法に若干の「違和感」を感じたので、もったいなと思ったんです。


by naginoha (2010-03-09 12:15) 

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